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この記事わかることは以下のことです。
ポイント
- 資金30万円で豪ドルNZドルをトラリピでやるならどんな設定にするか
- この設定に至るまでの思考
ほったらかし投資【資金30万円で検証】シリーズ2、豪ドルNZドル(AUDNZD)通称コアラキウイでトラリピを運用開始してみて、つくづく『設定は大変だな〜』と感じました。
何が大変だったかというと、根拠になるデータや設定はたくさんの方が公開してくれているのに、どのような考えでその設定にしているのかわからず、自分がどんな思考でどこに注意して設定を決めていくのか、この道筋が見えなかったことです。
ですからこの記事では、私がこの設定で運用を始めるまでの思考や試行錯誤を書きました。
「その設定ってどうやって決めたの?」「どんな考えでその設定に至ったの?」「何を基本としてどんなアレンジをしたの?」こんなふうに思う方は、最後まで読んでみてください。
なおこの記事は、『マネースクエアのトラリピ』を開きながらだとわかりやすいですよ。
まだ口座開設をしていない方は下のバナーからどうぞ。
\毎日が資産になる!/
豪ドルNZドル トラリピ設定
買いの設定
- 取引通貨量:1000通貨
- レンジ(仕掛ける範囲):1.02000〜1.09000NZD
- トラップ値幅(仕掛けの値幅):0.00200NDZ
- トラップ本数(仕掛けの本数):36本
- 利益値幅:
0.00800NZD→0.00500NZD→0.00300NZD※ - 想定ロスカットレート:0.9900NZD以下
※5月に値幅変更
売りの設定
- 取引通過量:1000通貨
- レンジ:1.06800〜1.13000NZD
- トラップ値幅:0.00200NDZ
- トラップ本数:32本
- 利益値幅:
0.00800NZD→0.00500NZD→0.00300NZD※ - ロスカットレート:1.1500NZD以上
※5月に値幅変更
売買の設定を表にするとこんな感じ
買い | 売り | |
取引通貨量 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
レンジ | 1.02000〜 1.09000NZD | 1.06800〜 1.13000NZD |
トラップ値幅 | 0.00200NDZ | 0.00200NDZ |
トラップ本数 | 36本 | 32本 |
利益値幅 | ||
ロスカットレート | 0.99000NZD以下 | 1.15000NZD以上 |
※5月に値幅変更
変更後の設定はこちらで解説しています。
【豪ドルNZドルAUDNZD×トラリピ/トライオートFX】Pythonでデータ分析して効率的な新しい設定を考える
続きを見る
なぜこんな設定になっているのか解説していきます。
設定に至るまでの手順や考え方
上記した設定で、運用に至るまでの考えや手順をまとめると以下の通りです。
目次にもありますが、もう一度まとめてみます。
考え方と手順
- 資金はいくらにするか決める
・少額の資金はそれぞれ
・投資資金を決める基準 - 30万円で投資できそうなものは何か
・自分が投資したいものは何か
・それが資金と合致しているか
・トラリピがほったらかしで稼げそうだ - トラリピの特性を知る
・設定してしまえばほったらかしでも稼いでくれる
・事前の準備は必要 - トラリピの特性に合う通貨ペアを選ぶ
・長期的にレンジ相場
・レンジの広さが限定的
・総推移高が高い
・レートが低い
・暴落しにくい
・豪ドルNZドルが良さそうだ - 設定&シミュレーション
・レンジを決める
・トラップを決める
・1日1回の決済で年利50%
・トラップの本数を決める
・想定ロスカットレートを決める
・トラリピ注文画面で設定のシミュレーション
・設定の微調整
・レンジ外の期間が1年もある
・ロスカット水準と最安値が近い
・ハーフ&ハーフで解決
・再々設定 - 勝ち逃げ設定
1.資金
投資をするのに、ある程度まとまったお金があったほうが有利になることは多いです。
かといって、まとまったお金がないから投資をできないというわけでもありません。
私も、数々の投資経験がありますが、初めは数万円や数十万円からなど少額から始めることが多いです。
そして、手応えをつかんできたら徐々に資金を増やしていきます。
やり方は人それぞれあるかと思いますが、私はこんな考えでやっています。
また、少額といっても人それぞれの感覚や価値観がありますので、具体的な金額はそれぞれです。
少額の金額を具体的にお示しすることはできませんが、私の基準は日々の節約で頑張れば月々に捻出できそうな、月2〜3万円×12か月=24~36万円というものです。
この基準をもとに投資プランを考えますので、資金は30万円にしました。
2. 30万円を何に投資するか
資金が決まったら、次は何に投資をするか?ということです。
資金のレベルから投資できるものできないものがありますが、以前から気になっていたものをいくつか調べていました。
私は基本的に、手間をかけて爆益を狙うより『極力手間をかけずにそこそこの利回りのある投資』が好きですので、買ったらガチ保か、設定したら放置か、日々のメンテナンスは数回までにできるものと決めています。
ですから、ガチトレーダーのようにスキャルピングやデイトレはしません。
このような考えに合致する投資先や投資方法は、ある程度限られています。
限られているといっても、これは私の知識の中での話ですが、、、
で、今回は自動売買系をやってみようと思いました。
結局のところやってみたいことをやるんですが、やりたいことが資金とマッチするかってことがポイントになります。
つまり私でいうと、『30万円という資金でできる投資はどんなものか?』ということです。
これは、常に情報収集をしていなければわからないことですが、大方目星をつけていました。
候補は、マネースクエアのトラリピとインヴァスト証券のトライオートです。
これらの存在は昔から知っていましたし、少しかじったりもしていましたが、もともと裁量でトレードしていたこともあり、コスト面(スプレッドや取引手数料)が気になる性分で手を出しきれずにいました。
ですが、最近ではコスト面を度外視できる程の利益を、"ほったらかし"で得られる可能性があることがわかりましたので、チャレンジしてみることにしました。
いいですよね。
トライオートもトラリピも準備をしっかりすれば、日々のメンテナンスはほとんどいらないので、私のポリシーに合致していますよね!
それで結局は、トライオートもトラリピも両方始めることにしましたが、ここでは『トラリピ』について書いていきます。
参考 年利換算30%越え!
インバスト証券のトライオートは、リピート系自動売買をFXだけでなくETFでできます。
トライオートETFについてはこちらで記事にしています。
【ナスダック100トリプル(TQQQ)×トライオートETF】設定と考え方-30万円でできるほったらかし投資
続きを見る
では、実際に30万円でできるのか?順を追って確認していきます。
3.トラリピの特性を確認する
まず、トラリピの特性について確認しておきます。
トラリピとは、
トラリピとは、『トラップリピートイフダン®』という当社独自の注文の略称です。
新規と決済の注文を同時に発注できる「イフダン注文」を、最大99本まとめて発注することができ、かつ1本1本のイフダンが、“新規→決済→新規→決済・・・”と注文を繰り返す「リピート機能」を有することで、相場を予想する負担を軽減します。ある一定のレンジ(範囲)で上下をくり返す相場で手間なく何度も取引機会をねらうことを目的として開発、特許を取得しました。
相場が思惑と逆の方向にいったときの損失を限定するためのストップロスも同時に発注可能なので、リスク管理もしっかり行えます。
(平成22年1月22日特許取得 特許番号:特許第4445006号)
というものです。
設定してしまえば“ほったらかし”でも稼いでくれますが、事前の準備は必須です。
- 取引通貨ペアは何にするか(トラリピ向きの通過ペアはどれか)?
- その通貨でどんな設定でどれだけの資金が必要か?
- 逆にその資金でどんな設定なら可能か?
などなど。
私は、30万円という資金でやると決めていましたので、30万円でできる設定をするという思考で進めていきました。
そして通過ペアは、トラリピ向きの通過ペアを選ばなければトラリピを選ぶ意味がないですから、トラリピにマッチする通過ペアを選びます。
3.トラリピ向きの通貨ペア
上記したように『if done』を繰り返していく特性上、ある一定の値幅の中で上がったり下がったりしてくれる通貨ペアが良いことがわかりますが、そのほかにもいくつかポイントがあります。
- 長期的にレンジ相場が続いている
- レンジの広さが限定的
- 総推移が高い
- レートが低い(安い)
- 暴落しにくい
この基準でピックアップすると、いくつかの通貨ペアが候補として上がりますが、トラリピ最強通貨と呼び声の高いオーストラリアドル/ニュージランドドル(豪ドル/NZドル)、通称“オージーキウイ”が良さそうだ!となります。
豪ドル/NZドルは、2020年からトラリピに加えられた通貨ペアですが、追加以来とても人気の通貨ペアのようです。
スワップ00(ゼロゼロ)キャンペーンを未だにやっていますしね。
通常豪ドル/NZドルは、両方ともマイナススワップになることが多いので、このキャンペーンは嬉しいですね!
※現在このキャンペーンは終わって狭得キャンペーンを実施しています。
では、実際にポイントにマッチしているかみていきましょう。
長期的にレンジ相場が続いている
最低でも5年以上の過去チャートを参考にすることとしました。
2014年から2021年までの豪ドルNZドル(AUD/NZD)のチャートです。
下限は『1.0000NZD』付近で、上限は『1.1400NZD』付近の範囲内で動いているのがわかります。
この先もこのレンジで動くかはわかりませんが、豪ドルNZドルは政策金利の差と相関があるようで、両国ともに当面政策金利が利上げされにくい情勢であることや、過度な利下げは考えにくいことからレンジ相場はまだまだ続くと考えています。
政策金利の差と豪ドルNZドルのチャートを簡易的に重ねたものです。
大方相関しているのがわかりますね。
レンジの広さが限定的
出典:マネースクエア公式ページ
図は、2015年〜2020年の約5年間の高低差を示したもので、マネースクエアの公式ページからお借りしました。
米ドルや日本円絡みの通貨(ドルストレートやクロス円)は、ドルや円の自国だけの情勢でなく世界の情勢で値が動きます。
ですから、値が動きやすく値幅が大きいですね。
それに比べて豪ドルNZドルは、地政学的に近いものがあり、他の通貨に比べて相関が強いため値幅が狭く推移するようです。
総推移が高い
出典:マネースクエア公式ページ
100PIPSあたりで、どのくらいの推移があったかを示した図を、マネースクエア公式ページから引用させてもらいました。
この数値が大きいほど、一定範囲でたくさん動いたということです。
つまり、豪ドルNZドルはたくさん上下するということです。
レートが低い(安い)
レートが低い(安い)とは、証拠金が安くて済むということです。
証拠金が安いということは必要な資金が少なくてすみます。
つまり、たくさんのポジションを持てたり、想定ロスカットレートをより安全に設定できるということになります。
同じ1,000通貨を保有するのに必要な資金を比べてみます。
例えばポンド円の場合、ポンド円のレートを150円で計算しますと、レバレッジ25倍の口座で1,000通貨保有するのに必要な証拠金は約6,000円になります。
それに比べ豪ドルNZドルの場合、豪ドルNZドルのレートを1.08NZD、NZドル円を77.3円で計算しますと、レバレッジ25倍の口座で1,000通貨保有するのに必要な証拠金は3,400円程です。
先進国通貨の中では、比較的少ない資金で取り扱いができる通貨と言えるでしょう。
ショック相場に強い
ショック相場に強いとは、なにがしのイベントがあった時に為替が大きく動くことがないということです。
簡単にいうと暴落や暴騰しにくいということです。
これも、マネースクエア公式ページからお借りしました。
ショック相場時の1か月間の変動率を見ていきます。
ブレグジット
出典:マネースクエア公式ページ
トランプショック
出典:マネースクエア公式ページ
アップルショック
出典:マネースクエア公式ページ
コロナショック
出典:マネースクエア公式ページ
図から、豪ドルNZドルはショック相場でも変動率が少ないことがわかります。
やはり、ドルストレートやクロス円はショック相場では、良くも悪くも変動が大きくなりますね。
ここまでで、豪ドルNZドルがトラリピに良さそうだ!ということが確認できました。
では、実際に資金とマッチするか?
どんな設定にしたら効率よく稼げそうか?
この辺をシミレーションしてみたいと思います。
5.シミュレーションしながら設定を決めていく
資金は30万円と決めているので、これで設定を考えてみます。
まずは、決めなければならない項目をあげていきます。
- レンジ(仕掛ける範囲)
- トラップ値幅(仕掛けの値幅)
- トラップ本数(仕掛ける本数)
- 想定ロスカットレート
- 利益値幅
これらを決めたいのですが、利益値幅以外はそれぞれの変数の掛け合わせですので、シミュレーションをしていくしかありません。
ですから、シミュレーションをするための大枠を決めていきます。
まずは、仕掛ける範囲です。
レンジ(仕掛ける範囲)を大方決める
レンジは、チャートにラインを引きながら感覚的に決めていきます。
よく反発されそうな、『サポートライン』と『レジスタンスライン』の大外を探していきます。
すごく雑ですが、大方こんな感じになりました。
次に、この範囲内で何本のトラップを仕掛けられるか計算していきます。
トラップ値幅(仕掛けの値幅)
トラップの本数は
『レンジ÷トラップ値幅』
で算出できますので、トラップ値幅の基準を作りたいと思います。
トラップ値幅は色々な指標を見て決められますが、私は『ATR』をみて決めました。
この期間中に、ATRの最小値が『0.0035』でした。
つまり、1日に最低でも0.0035NZDは動いたということです。
この数値から、0.0035NZD以内に2本のトラップがあれば、1日に1回の新規ポジションをとってくれそうだとわかりました。
というわけで、トラップ値幅は切りの良い『0.002NZD』としてトラップ本数を求めてみます。
トラップの本数(仕掛ける本数)を決める
トラップ本数の計算方法は、
『レンジ÷トラップ値幅』
です。
先ほど引いた、レジタンスラインとサポートラインとの価格差を、想定レンジとして式に当てはめます。
想定レンジはこれですね。
『1.11NZD−1.03NZD=0.08NZD』
となります。
そして、トラップ本数を求めると
『0.08NZD÷0.002NZD=40』
となります。
つまり、40本仕掛ける想定になりました。
次に『想定ロスカットレート』を設定します。
想定ロスカットレートを決める
想定ロスカットレートとは、この価格になったらポジションが強制決済されてしまうというレートのことです。
つまり、想定ロスカットレートを仕掛けの範囲から離せば離すほど、ロスカットされにくくなるということです。
ですが、想定ロスカットレートをより安全な価格にすればするほど資金が必要になりますので、資金とのバランスが必要になります。
この想定ロスカットレートも、過去のチャートから判断します。
過去7年間で、2回ピタッと止められている価格が『1.0000NZD』です。
この価格を絶対に割らないということではありませんが、一つの指標になります。
政策金利との相関や、当面利下げ利上げがされにくい状況かですから、この価格を大きく割り込むということは考えにくいことから、大方の指標としました。
ですから、想定ロスカットレートは『1.0000NZD』以下に設定することにしました。
ここまでくると、トラリピのリスクを試算でシミュレーションができます。
設定のシミュレーション
トラリピ注文の画面です。
画像の手順で入力していきます。
手順
① 通貨ペアで『AUD/NZD』選択
② 売買で『買』を選択
③ レンジに『1.11000』と入力
④ レンジに『1.03000』と入力
⑤ 注文金額に『0.1』と入力
※0.1=1,000通貨
⑥ トラップ本数に『41』と入力
※40と入力するとトラップ値幅が205となるため
※③や④を調整しても良い
⑦ 『トラリピのリスクを試算』クリック
すると以下のウィンドウが開きます。
画像の手順で入力し確認していきます。
手順
① 用意した資金『300,000』を入力
② 試算するをクリック
③ ロスカット水準を確認する
ここで示されている“ロスカット水準”とは、発注したトラップが全てポジションを持った時に、最大限の含み損を抱えてなお下落してしまった場合に強制ロスカットされてしまうレートです。
つまり、この設定で言うと想定ロスカットレートが『1.0000NZD』ですから、想定ロスカットレートまで下がる前に強制ロスカットされてしまうということです。
トラリピは、設定してしまえばほったらかしで稼いでくれるシステムですので、できるだけ安心してほったらかしにしたいですよね。
ハラハラドキドキしたくはありませんので、このロスカット水準をしっかり想定ロスカット以下になるように調整していきます。
さて、ここから微調整をしていきます。
設定の微調整
微調整とは何をするのかというと、『トラップ本数を少なくしてロスカット水準を下げていく(安全方向に移動する)』と言うことです。
トラップ本数を少なくすると言うことは、当然レンジが狭くなるということになります。
トラップ本数を少なくしてトラップ値幅を広くするという方法もありますが、値幅を広げてしまうと約定回数が減ってしまうので最終手段にしたいと思います。
トラリピ注文に戻ります。
トラップはしっかり敷き詰めた方が良いので、トラップの本数を減らしていく場合はレンジの上限方向から減らしていくか、下限方向から減らしていくかになります。
できるだけ安い値段で仕掛けた方がたくさん仕掛けられますし、ロスカット水準を下げられますので、レンジの上限からトラップ本数を減らしてレンジ上限の数値を下げていくように調整していきます。
画像のように再設定をしていきます。
トラリピのリスクを試算をクリックしてロスカット水準を確認します。
トラリピ注文の再設定を何回か繰り返していると、ロスカット水準が想定ロスカットレートを下回る設定になります。
今回は、レンジ上限『1.1000』、トラップ本数は『36本』でロスカット水準が『1.0000NZD』を下回りました。
トラップの範囲を視覚的に確認するとこんな感じになります。
この設定でトラリピを稼働しても良さそうですが、少し気になることがでてきます。
気になること
- この設定でいくと、仕掛けたレンジの外にいる期間が結構長い(赤丸の部分)
- 想定ロスカットより下にロスカット水準があるものの、過去の最安値からわずか30PIPS程しかない
この2点が気になります。
それぞれ解決できないかもう少し模索&設定調整をしてみたいと思います。
仕掛けたレンジ外にいる期間が結構長い
価格が全くのレンジ外にあった日数を目視で数えたところ、上に抜けているところが約200日で下に抜けている日数が約30日でした。
単純に計算して為替がオープンしている日数が1年250日程度と考え計算してみると、この期間中にほぼ1年分は約定がないと言うことになります。
もう少し細かいことを言うと、上抜けした約200日はノーポジションで口座に資金を入れているだけの状態で、下抜けした約30日は含み損を抱えて決済が何もない時期です。
ここに表示しているチャートの期間は約7年分ですから、7分の1の期間で機会損失をしていることになります。
ここで注意したいのは、約定がない日(ポジションがない日)があってはいけないということではありません。
ポジションがない日をどう見るかはそれぞれですが、7年のうち約1年分は資金を寝かせているだけというのは、私としてはちょっと機会損失としては大きすぎるのかと思ったわけです。
1日1回決済できる設定で運用できれば、1年で十数万円の利益を得られる可能性があるわけですからちょっと勿体無いですよね。
これを解決するには、レンジを広げるしかありませんが、トラップ値幅を変えずにレンジを広げると資金が増えますし、トラップ値幅を広げてレンジを広げるとトラップが減ってしまうので考えものです。
ロスカット水準と豪ドルZNドル最安値が近い
そしてロスカット水準と過去の最安値が思いのほか近いという点です。
過去のチャートや現在のファンダメンタルズから考えると、1.0000を大きく割り込むとは考えていませんが、NZドル円のレートによっては証拠金が不足することが考えられます。
証拠金が不足するということは、より高いレートでロスカットされてしまうということです。
NZドル円の過去10年程のチャートを見ますと、90円を超えていることがありました。
仮に、豪ドルNZドルが安値圏の時にNZドル円が90円だった場合、先ほどのトラリピ設定で運用していたとして計算してみますと、ロスカット水準は1.017付近になります。
豪ドルNZドルが1.0000NZDを割らないとしても、タイミング悪く円高だった場合、豪ドルNZドルが1.0000を割る前にロスカットされてしまうということです。
これを解決するには、ロスカット水準を余裕をもって設定しておくというということになりますが、要はトラップ本数を減らすということになりますね。
ハーフ&ハーフで解決できる
この『気になる2点』解決しようと思ったら、レンジを広げかつトラップ本数を減らさないといけないのですが、トラップ本数を減らすということは必然的にトラップ値幅が広がってしまいます。
トラップ値幅は、1日1回程度の約定があるように設定していますので、できればトラップ値幅を広げることも避けたいとこです。
また、資金を増やせればいいのですが、資金は30万円と決めていますのでこれもできません。
資金を増やさずトラップ値幅を変えずにレンジを広げ、なおかつロスカット水準を下げることを考えなければいけません。
これを可能にする策は、これしかありません。
通称『ハーフ&ハーフ』です。
ハーフ&ハーフは、簡単に言うとレンジの下半分に買いを仕掛け上半分に売りを仕掛けます。
しかも、買いレンジの時は売りポジションは保有しないですし、売りレンジの時は買いポジションを保有しないので、資金はどちらかの設定で決めた資金だけで済みます。
つまり、今回の設定で言うと買いのみの設定と同じ資金で、同じトラップ値幅で、トータル的なレンジを広げられるということです。
これであればトラップ値幅を変えずにレンジを広げられます。
ですが、注意点もあります。
買いのみの場合は、ロスカットの可能性が『豪ドル安方向』だけでしたが、売りのトラリピも追加することによって、『豪ドル高方向』でもロスカットされる可能性が出てくることです。
つまり、豪ドルが下がりすぎても上がりすぎても、ロスカットしてしまうということです。
その辺りも注意しながら、もう一度トラリピ注文設定に戻ります。
再々設定
上記したレンジをもう一度見直してみます。
先ほど買いのみのレンジはこの設定でしたね。
これを下の画像のようなイメージで再設定していきたいわけです。
このようにすれば、過去値動きのほとんどの範囲をカバーできます。
ここでひとつ、見ておいた方が良いポイントがあります。
売りトラリピを加えた場合、総合的にレンジをみると広範囲に仕掛けられるということになりますから、レンジをより広く取ることができますが、だからといって過去の値動きの全てをカバーしようと思うと、より直近の値動で見た時には少し広すぎるレンジとなってしまうことです。
広いレンジに仕掛けると、レンジの高いトラップとより安いトラップはせっかく仕掛けてあるにもかかわらず、なかなか約定しないということになりますので、これはこれで機会損失になりますしバランスはとった方が良いですよね。
そして私は、レンジを決めるときの基準を『よく反発するポイント』ではなく『日足のローソク足が丸々レンジ外に外れないポイント』と変更してみました。
そしてレンジは『下限1.0200NZD〜上限1.13000』という数値をはじき出せました。
この範囲に、『買いレンジ』と『売りレンジ』を『トラップ0.0020NZD幅』で仕掛けられればOKということになります。
この基準を付け加え再度設定をしていきます。
まずは、円高であってもロスカット水準が1.000NZDより高くならないように計算をしていきます。
この計算は、トラリピのリスクを計算ではできませんので自力で計算します。
→探したらメニュの中にありました。
こちらでの設定の仕方を追記しておきます。
追記
追記2
手順
①『MENU』をクリック
②『トラリピ運用試算表』をクリック
手順
③『対米ドル等通貨』をクリック
手順
④ 通貨ペア『豪ドルNZドル』
⑤ 予定運用資金『300,000』円
⑥ レンジ『1.02〜1.084』
⑦ トラップ本数『33』本
⑧ 通貨量『0.1』=1,000通貨
⑨ 利益値幅『300』
手順
⑩ NZドル円の想定レート『95』円
*計算スタートをクリック
手順
ロスカットレートを確認する
~~~~~~~追記はここまで~~~~~~~
私はNumbersで計算表を作り、自動で計算してもらっています。
結局、この計算表を作ったおかげで、トラリピの設定をほとんどこの表だけでできるようになりました。
この計算表で、NZドル円のレートが『95円』でも『ロスカット水準が1.0000以下』になるように設定してみました。
計算表で算出した数値を、トラリピ注文に入力してトラリピのリスクを試算をしてみます。
トラリピの注文は、買いと売りは別で設定・注文をしなければいけませんので、まずは買いから設定していきます。
手順
②売買:買
③レンジ:1.08400
④レンジ:1.02000
⑥トラップ:33
⑦トラリピのリスクを試算をクリック
それぞれ入力して『リスクを試算』で確認します。
手順
①300,000と入力
②『試算する』をクリック
③ロスカット水準を確認
ロスカット水準は0.97395NZドルとなりました。
次に売りの設定もしていきます。
買いレンジと売りレンジを合わせて、先ほど決めた『下限1.0200NZD〜上限1.1300』の範囲を網羅できてればいので、このレンジから買いレンジを引いた『1.0840NZD〜1.1300NZD』で売り設定をしていきます。
実際に入力してみます。
手順
②売買:売り
③レンジ:1.13000
④レンジ:1.08000
⑥トラップ:26
⑦トラリピのリスクを試算をクリック
するとこのウィンドウが開きます。
手順
①300,000と入力
②『試算する』をクリック
③ロスカット水準を確認
ロスカット水準は1.20403NZドルとなりました。
視覚的に確認してみます。
これで仕掛けたいレンジを網羅した設定にできました。
ここで更に、気になることが出てきました。
上記した設定で、『見た目上のロスカット水準は仕掛ける売りレンジからは結構離れているように見えるけどこれってどうなの?』って話です。
ここも、自分が安心できるもしくは納得できる基準を作っておく必要があります。
つまり、豪ドルNZドルがどこまで上がるか(豪ドル高になるか)ということを確認して、想定ロスカットレートを決めておかなければならないということです。
ですが、実はこれについては明確な根拠を持って決められませんでした。
と言いますのも、豪ドル円NZドルの長期チャートを見てみるとわかります。
このように、過去20年の豪ドルNZドルのチャートを見てみますと、今回仕掛けようとしている範囲がとても狭いことがわかります。
そして、過去20年では『1.3500NZD』を超えているという事実があります。
この過去20年のチャートを見て設定しようした場合、莫大な資金が必要になるということは容易に想像できます。
ですから、豪ドルNZドルが豪ドル高になって、今回仕掛けるレンジを外れてしまった場合は潔く損切りする覚悟で設定することにしました。
実際には、前述した通り2国間の政策金利の動向で為替が動くと考えているので、今後豪州だけが利上げするような状況が続きそうであれば、レンジ内であっても運用を止めるということです。
つまり、それまでに稼いで勝ち逃げしようという魂胆です。
豪ドルNZドルの売りに対する想定ロスカットを決めることだけに限ったことではありませんが、自分が納得できる運用にするのが一番ですから私はこのような考えで設定をしていきます。
今回たまたま算出されたロスカット水準ですが、私としては全然悪くはないと思いました。
ですから、これまで考えてきて算出できた設定を基本とすることとしました。
最後にもう一つトラリピ設定で決めなければならない項目があります。
利益値幅についてです。
利益値幅設定
利益値幅については、相場によって効率的な数値が変わってくるようですから、データから予測する最適解は見つけられませんでした。
一応、簡単なバックテストをしてみましたが、大方の傾向として利益値幅を広げた方が利益は多く、狭めた方が利益は少なくなる傾向にありました。
ですから、最終的には好みで決めました。
『0.00800NZD』です。
この設定は、運用開始した後も割と簡単に変更できますので、運用してみてあまりにも決済しない場合には変更します。
追記1
追記
案の定、決済がなかなかなかったので、利益値幅を3回ほど狭めました。
『0.00800NZD』→『0.00500NZD』→『0.00300NZD』
ATRを見てみますとこんな感じです.
ATR14SMAでは4月半ばに『0.00405』まで低下しています。
ATRが下がってきているのは把握していましたが、2週間ほど少し様子を見ていました。
高値安値の差が『0.00405』だと、利益値幅『0.00800』ではちょっと広すぎたということですね。
ATRが急激に上がる様子もないので、『0.00800』から『0.00500』に変更し、更に『0.00300NZD』ました。
変更の仕方は簡単です。
手順
①『トラリピ管理表』をクリック
②『変更/取消』をクリック
※売と買の2箇所をそれぞれ行う
手順
③『利益金額変更』を選択
手順
④『0.00500』 と入力
⑤『確認』をクリック
今後も定期的にATRを見つつ変更していきます。
※7月にさらに利益値幅を『0.00200NZD』に変更しました
~~~~~~~追記はここまで~~~~~~~
ここまでで、運用するための最低限の設定数値が算出できました。
このまま運用しても良かったのですが、私は、先ほど申し上げたように、勝ち逃げするためにより効率的に稼げる設定にできないかと考えました。
というわけで、ここからは勝ち逃げできるように、より稼いでくれそうな設定を考えていきます。
6.勝ち逃げ設定
今回、試行錯誤した結果、ハーフ&ハーフで仕掛けたいレンジを網羅できましたので、この設定で運用を開始してもいいのですが、上記したようにできるだけ低金利のうちに(政策金利の差がないうちに)稼いで勝ち逃げしたいので、より稼いでくれそうな設定を考えます。
トラリピでより稼ぐとはどういうことかというと、たくさんのトラップを仕掛けるということになると考えています。
とはいえ、資金とレンジ・ロスカットレート水準が大方決まっているの闇雲にトラップは増やせません。
資金が決まっている中でやれることはわずかです。
- より値動きがありそうな範囲にトラップ本数を増やし他の範囲のトラップを減らす
- 買いと売りのレンジを重ねる
この二つになります。
どちらがより稼いでくれるかはわかりませんが、何れにせよトラップを増やせば稼ぎが多くなる確率は高くなります。
そして今回は、設定がより簡単な買いレンジと売りレンジを重ねる方法を選択してみました。
買いの設定はこのままで、売りの設定を少し触ります。
つまり売りのレンジを、豪ドルNZドルが安値の方向に広げていきます。
そうすると、売りのトラップが必然的に増えてきてロスカット水準が下がってきます(より安全ではない方向に移動してくる)ので、納得できそうなバランスを考えます。
そして良さそうな設定がこれです。
画像のようなイメージでトラリピ設定をするには、以下のように入力して確認していきます。
買いの設定
リスクを試算を確認
売りの設定
リスクを試算
以上で、『トラリピ豪ドルNZドル』の設定が決まりました。
追記3
買いと売りのトラップ範囲を重ねたが、果たしてこの範囲は適正な範囲に仕掛けられているか調べてみました。
ちょっと勉強中のPythonを使って、データ収集して可視化してみましたが、面白い結果が、というか、ある程度予想していた通りの結果が得られました。
これは、2014年から豪ドルNZドルの日足終値をドット・ボックス・バイオリンでプロットしたものをチャートに重ねたものです。
ちょっとわかりにくいですが、トラップを重ねた範囲(両建てゾーン)が第一四分位と第三四分位の範囲に収まっています。
つまり、よくいる範囲に仕掛けられているということです。
ということで、この設定はまずまず良い設定だということがわかりました(^^ ホッ
実はこのデータを見て、更により良い設定が無いかを再検討してみました。
こちらの別記事で書いています。
【豪ドルNZドルAUDNZD×トラリピ/トライオートFX】Pythonでデータ分析して効率的な新しい設定を考える
続きを見る
追記はここまで
実際追記した設定で運用を開始していますが、今後も運用しながら改善をしてきたいと考えています。
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初心者も始めやすい
— ティーコン@FXインベスター今野高誌・複業作業療法士・二児のパパ (@TKongOT) April 21, 2021
【30万円で検証❷】
昨日ほったらかし成果
コツコツ0.2%の積み上げ💪
🇦🇺AUDNZD🇳🇿
トラリピ
4月20日〜4月21日
新規5決済1
安値1.0738 NZD台
〜高値1.0817 NZD台 pic.twitter.com/dKBzkSJ71i
初心者も始めやすい
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【30万円で検証❷】
昨日ほったらかし成果
コツコツ0.0%の積み上げ💪
🇦🇺AUDNZD🇳🇿
トラリピ
4月26日〜4月27日
新規0決済0
保有ポジション
売り0.5
買い0.5
安値1.077台-高値1.080NZD台
もう少しボラが欲しい💦
ないものねだり😅 pic.twitter.com/1K7oVprplH
初心者も始めやすい
— ティーコン@FXインベスター今野高誌・複業作業療法士・二児のパパ (@TKongOT) April 28, 2021
【30万円で検証❷】
昨日ほったらかし成果
コツコツ0.2%の積み上げ💪
🇦🇺AUDNZD🇳🇿
トラリピ
4月28日〜4月29日
新規2決済1
保有ポジション
売り0.1×5
買い0.1×6
安値1.0723台-高値1.0790NZD台
高低差約0.007NZD
良き良き😙 pic.twitter.com/q1aP6ai5OY
まとめ
豪ドルNZドルのトラリピを開始しるまでの私なりの思考をつらつらと書き綴ってみました。
トラリピの設定はたくさんの方が公開してくれていますが、ほとんどの場合根拠となるデータや設定のみの公開でした。
その人が『どんな思考でその設定に至ったのか?』『どんな試行錯誤があったのか?』ということを、伝えてくれている記事がなかなか見つからなかったこともあり、自ら書いてみました。
私がそうだったように、きっと根拠となるデータや設定の情報だけでなく、その隙間を埋めるその人の思考を知りたいと思う人は、少なからずいるのではないかと思っています。
そんな方がこの記事に辿り着き、参考にしていただけたら幸いです。
またトラリピに限ったことではありませんが、投資全般で言えることは、情報を手に入れてその設定を真似すれば始めることは可能です。
ですが、その設定をどんな考えで決めたのか、その人の諸々の状況はどうだったのか、などを知らずにただただ真似して設定してしまうのはとても危険です。
その設定があっているのか、間違っているのか、ということは未来の相場次第ですからわからないことです。
そんな中重要なのは、自分が納得して運用できるかということに限ると思います。
他人の設定を真似するだけでなく、自分が納得のいく投資をしましょう!